出会い系などの架空請求に対する知識と対処法

一時世間を賑わせた架空請求

架空請求は絶対に払わない 出会い系サイト絡みでよく聞く犯罪行為といえば美人局と架空請求。

美人局に関しては「美人局の被害に遭わないための対処法」で詳しく取り上げていますのでここでは割愛し、架空請求に焦点を絞って書いていきます。

架空請求は少なくとも十数年前から存在し、サイトやメールなどのリンク・URLを一度クリックしただけで勝手に入会した事になり料金を請求される「ワンクリック詐欺」や、いきなり見に覚えのない請求メールなどが送られてくるものなど形態は様々です。

「どうせ詐欺だろ」と分かっていても請求メールや画面を見るとついついドキッとしてしまう方も多いと思われ、私もそういった画面やメールを見ると若干心拍数が上がり怖いもの見たさでついつい全文を読んでしまいます。

こういった架空請求、一般的には「無視すればいい」と言われていますが、果たしてそれは正しいのでしょうか?

ワンクリック詐欺は完全無視でOK

近年は周知が進んでいるからかずいぶん少なくなった印象を受けるワンクリック詐欺ですが、いまだに細々と存在しているようです。

ワンクリック詐欺は「ワンクリック」と銘打ってはいるものの、2クリックや3クリックも存在しており、合意していないし契約の意思もない人間に罠のようなリンクを踏ませる行為を総称してワンクリック詐欺と呼んでいます。

参考までにどんな画面が出るかというと…

ワンクリック詐欺の画面

表示される画面には色々なパターンがあるものの、概ね共通しているのは料金や振込先を強調し、また訪問者のブラウザやIPアドレスを載せる事で暗に「お前の情報は握っているんだぞ」と脅すあたりでしょうか。

IPアドレスを表示されると相当な情報が相手に渡っている印象を受ける方もいらっしゃるかもしれませんが、IPアドレスで氏名や住所を判別する事は不可能で、精一杯辿れたとしても訪問者が住んでいる市区町村までなので、はっきり言ってIPアドレスが知れたからと言って痛くもかゆくもありません

こういったワンクリック詐欺は完全無視が最良の対応策で、万が一掲載されている情報から相手にメールしたり電話したりすると相手の思う壺なので、こちらからコンタクトを取るような事は絶対にしないで下さい。

■ワンクリック詐欺はIPアドレスを表示するが何の意味もない
■ワンクリック詐欺は完全無視が鉄則、不安になっても絶対に連絡しない事

身に覚えのない請求が来た場合は

携帯やPCにメールで身に覚えのない請求が届く事ってありますよね。

これは典型的な架空請求の手口であり、仮に裁判うんぬんの法的措置を臭わせる記述があったとしても、基本的にこういったメールは不特定多数に送っているものなのでこれらの対応もワンクリック詐欺同様完全無視で構いません。

じゃあ架空請求などの詐欺はすべて無視すればいいんじゃん

…と思ったあなた、それはちょっと違います。

ワンクリック詐欺のようにアクセスした先での架空請求やメールでの請求などは完全無視するべきなのですが、もし郵送で送られれてきた場合は少し注意が必要。

これは郵送で送られてくるという事は名前も住所も知られている…という点が直接的な問題ではなく、そこから起因する裁判所を交えた詐欺行為の可能性があるからです。

次の項目でこれについて詳しく取り上げてみましょう。

■携帯やPCにメールで送られてくる架空請求は無視がベスト
■郵送で送られてきた場合は注意が必要

郵送で送られてくる架空請求に注意

架空請求は基本的にアクセスした先での「登録ありがとうございます」的なワンクリック詐欺とも言われる架空請求やメールでのものが大半で、それらは個人を特定しているわけではなく不特定多数の人に送っているだけのものなので完全に無視して構いません…というか無視して下さい。

一方注意が必要なのが郵送で送られてくる架空請求です。

これが業者によって送られたものであればやはり無視して構いませんが、万が一“裁判所”からだった場合、これを無視するといくら身に覚えのないものでも支払う必要が出てくるかもしれないのです。

というのも、最近の詐欺師は稀に裁判所を通じて「支払督促」や「少額訴訟」を起こす場合があり、もし届いた郵便がこれらによる裁判所からの呼び出しだった場合、無視すると相手の言い分を認めたことになり支払い義務が生じてしまうのです。

身に覚えのない請求だった場合、支払督促なら受け取った日から2週間以内に裁判所に対し異議申し立てを行わなければならず、小額訴訟なら呼び出しに応じ指定された期日に出頭、それに先立って自分の言い分を記載した「答弁書」という書面を提出しておく必要があります。

支払督促にせよ少額訴訟にせよ裁判所から通知が届いたら弁護士や消費生活センター等に相談する必要がありますが、そんなものの対策のために弁護士にお金を払うのはバカらしいので各市区町村などにある無料の弁護士相談などを活用するようにしましょう。

…こんな事されたら殺意湧くな…

■郵便によって身に覚えのない請求が送られてきた場合は注意が必要
■業者からの請求であれば無視、裁判所からの請求であれば無視できない

郵便による架空請求の見分け方と対処法

郵便による架空請求と言えど裁判所を通じてのもの以外であれば何も恐れる必要はないので、業者から直接届いた場合は記載されている電話番号やアドレスに確認するような事はせず完全無視を貫いてください。

メールなどによる架空請求同様こちらからコンタクトを取ると相手の思う壺です。

一方裁判所を名乗る通知だった場合、まずはそれが本物かどうかを確かめる事が最優先事項となりますので、以下に留意して下さい。

■支払督促や少額訴訟の呼出状は特別送達で送られてくる

おそらくこれが最も分かりやすい点になるかと思いますが、裁判所から送られてくる支払督促や少額訴訟の呼出状は普通郵便で届く事は絶対になく、必ず受け取った人の署名や捺印が必要になります。

つまり「いきなりポストに裁判所からの通知が入ってた!」なんて事はありえません。

■金銭を振り込む預金口座が記載される事はない

裁判所を装った架空請求の場合はほぼ必ずといっていいほどお金を振り込む銀行口座などが記載されており、「早急にこちらに振り込んで下さい」と書いてありますが、裁判所からの支払督促などに金銭を振り込む口座が記載されている事はありません

つまり振り込み口座が記載され「こちらに振り込んで下さい」となっている時点で裁判所からのものではないと判断できます。


この2つを知っておけば裁判所を騙る架空請求に騙されるような事はないと思いますが、もしそういった郵便が届いて不安に感じた場合は消費生活センターなどに問い合わせてみましょう。

■裁判所からの通知は必ず特別送達で、受取人の署名や捺印が必要になる
■裁判所からの通知に振込先の口座が記載されている事は絶対にない

架空請求に騙されないために

以上、出会い系サイト絡みでありがちな架空請求について取り上げてきましたが、いかがだったでしょうか?

架空請求が来た場合の基本的な対処法は、不安に感じても業者にコンタクトを取る事は絶対にせず、完全無視を貫く事です。

しかし署名や捺印を求められる裁判所からの郵便が届いた場合にのみ完全無視は得策ではなく、上記で書いたようなしかるべき対応が必要になります。

架空請求は比較的歴史が長く、それだけに「無視するべき」という対策が広く知れ渡っている事を逆手に取り、詐欺師たちは裁判所を使う事によって「無視=強制執行」という方法を思いついたようです。

これをされると身に覚えがなくても出頭や異議申し立てを行う必要があり非常に面倒ですが、だからといってこれを行わないと強制執行が待っているだけなので、それらを含め架空請求に対する正しい知識を身に付けておいて下さい。

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